Q.胎児に相続権はありますか?
~相続開始のとき、まだ生まれていない胎児は、相続についてはすでに生まれたものとみなされ、相続権があります。
ただし、死産であった場合は、相続人にはなりません。
Q.婚姻外で生まれた子は相続人になるのですか?
~正規の婚姻によって生まれた子を嫡出子、婚姻外で生まれた子を非嫡出子といいます。
母親と非嫡出子は出生により母子関係が生じます。
父親と非嫡出子は、父親が認知した場合に初めて父子関係が生じます。
つまり、認知された非嫡出子だけが父親の相続人となります。
Q.養子の相続権はどうなっているのですか?
~養子は実子と同じに扱われるので、相続人となります。
また、養子にいったからといって、実の父母と親子でなくなるわけではありませんので、実親の相続人にもなります。
つまり、養子は実父母と養父母の両方から相続できるということです。
ただし、特別養子は実親との親族関係が切断され、養父母の実子と同じに扱われますので、養父母の相続人になるだけです。
Q.離婚した元妻と子の相続権はどうなるのですか?
~離婚した元妻は赤の他人ですので、当然、相続人にはなりません。
しかし、子供は離婚によって親子関係がなくなるわけではありませんので、父と母のどちらかが引き取ったかにかかわらず、嫡出子としての相続権があります。
Q.再婚した妻と連れ子の相続権はどうなるのですか?
~再婚した妻は、当然、相続人になります。
しかし、その連れ子は、被相続人と養子縁組をしていない限り親族関係はありませんので、相続人にはなりません。
Q.内縁の配偶者に相続権はありますか?
~相続人になる配偶者とは、婚姻届を出している法律上の配偶者のことをいいます。
したがって、最近は入籍しない夫婦(事実婚)も増えていますが、このような内縁関係の妻や夫は相続人にはなりません。
Q.遺留分とはどういうものなのですか?
~遺留分とは、相続人に保証された最低限の取り分です。
自分の財産を誰にどれだけ与えるかは、原則として自由です。
しかし、「全財産を愛人に与える」などという遺言が出てきたら、残された遺族はたまったものではありません。このような不利益から相続人の権利を守るため、民法では「遺留分」の制度を定めています。
遺留分は一定の範囲の相続人に最低限保証された財産の取り分で、たとえ被相続人の遺言でもこれを侵害することはできません。ただし、遺留分を有するのは配偶者、子、直系尊属で、兄弟姉妹には遺留分はありません。
Q.相続を放棄することはできますか?
~「父親が亡くなり、ふたを開けてみたら借金だらけだった」などというのは、比較的よくある話です。相続する場合はプラスの財産・マイナスの財産の両方を受け継がなければならず、遺産を超える多額の負債を抱え込むことにもなりかねません。
では、多額の借金を残して亡くなった父親に代わり、子が必ずその借金を抱え込まなければならないかというと、そうではありません。
相続人は、相続をする(承認)、しない(放棄)を選択することができるのです。
プラスの財産より債務の方が明らかに多いときは、相続放棄をするのが賢明といえるでしょう。
相続を放棄すると、その人は、はじめから相続人ではなかったことになります。
よって、プラスの財産もマイナスの財産も一切承継することはありません。
ただし、相続放棄をするには、自分が相続人になったことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所で手続きする必要があります。
この期間を過ぎると、自動的に相続を承認したことになりますので、注意が必要です。
(ただし、3ヶ月以内に手続きをすることができないことにつき、正当な理由があり、そのことを家庭裁判所が認めた場合は、期間が延長されます。)