遺言を書くということは、イメージとしてはどうしても遺言を書く=遺書を書くという発想につながり、自らの死という問題をいきなり、目の前に突きつけられる感じでしょうか。
確かに、遺書というのは、一般的には死の間際に残す言葉であるというとらえ方から、遺言にも同じイメージがあるかもしれません。
しかし、遺言は遺書ではありません。
遺言は遺書とは違い、体も心も、元気なうちに書くべきものなのです。
人は、自らの死期を決めることも、それを正確に予測することも出来ません。
また、自分は死ぬまで認知症などにはかからない自信があるといっても、何の保証もありません。
そろそろ遺言を書かなければいけないと思いつつ、まだ、元気だし、そのうち、そのうち・・・となっていませんか?
確かに、いざ書こうと思っても、そう思った瞬間に、もう、おっくうだという気持ちに負けてしまいがちです。
しかし、人は、実際、明日亡くなってしまう可能性もあるのです。
また、急な病で、正常な判断能力を失ってしまえば、もう遺言は書けません。
そのうちに・・・ではなく、ぜひ、いまのうちに!という気持ちに切り替えてみてはいかがでしょうか。
とにかく、最初は、体裁にこだわらずに、まず、ノートなどに書いてみましょう。
そして、ある程度、財産の振り分けが決まれば、一旦、自筆証書遺言で残されておくと、ひと安心です。
それから、最終的に気持ちが固まれば、公証役場で公正証書遺言の手続をするのが良いでしょう。